「スワイシー」の次は「スイーボリー」
2025年の食トレンドを振り返ると、「スワイシー(Swicy)」という言葉が記憶に残っているはずだ。甘さ(Sweet)と辛さ(Spicy)を掛け合わせた料理が、あらゆるカテゴリに広がった。2026年、その次のステージとして業界がこぞって注目するのが「スイーボリー(Swavory)」だ。甘さ(Sweet)と塩気・うまみ(Savory)の融合を意味するこの造語は、米国の大手フードサービスリサーチ会社Technomicによって2026年の重点トレンドの一つに位置づけられた。
ミソ、タヒニ、モレ——3つの主役
Technomicが特定した「スイーボリー」のリーディング素材は、ミソ・タヒニ・モレの3種だ。最も勢いがあるのはミソキャラメルで、コーヒードリンクへの添加、タルトやクッキーのソース、肉料理の仕上げなど、ミソの持つ塩気とうまみがキャラメルの甘みと絶妙に共鳴する。タヒニ(ゴマペースト)はソフトサーブやスムージーに混ぜることで複雑な甘みをもたらす。モレは元来チョコレートを使ったメキシコのソースで、甘さと辛さと塩気が入り混じる複合フレーバーとして注目されている。
なぜ今「甘さ×塩気」なのか
このトレンドが生まれた背景には、消費者の味覚の成熟と食文化のグローバル化がある。アジア料理・中東料理・ラテン料理への接触が増えるにつれ、複雑な味の組み合わせへの関心が高まった。また「コンフォートフードに新しさを加えたい」という消費者心理も働いている。見知った食材を意外な形で楽しめるという驚きが、SNSでの拡散力とも相性がよい。
外食産業への示唆
ミソは日本の発酵食品の代表格であり、「日本のうまみ×スイーツ」という文脈でグローバルに訴求できる素材だ。ミソキャラメルラテや、みりん風味のデザートなど、日本発の「スイーボリー」を世界に発信するチャンスが広がっている。一方で、「一度試せば満足」という一過性のトレンドにとどまる可能性もあり、本格的な風味の深みを担保できる商品設計が定番化への鍵となる。