「見る子ども」から「つくる子ども」へ
かつて子どものデジタル教育の議論は「スクリーンタイムをどう制限するか」に集中していた。しかし2026年の最前線では、その問いの立て方自体が変わりつつある。問われるべきは「どれだけ使うか」ではなく、「どう使うか」だ。Linewizeが発表した2026年のEdTechトレンドレポートによると、デジタルリテラシー教育の重心は「デジタル消費」から「デジタル創造」へと移行している。子どもが動画を見るだけでなく、動画をつくる。ゲームをするだけでなく、ゲームを設計する。AIを使うだけでなく、AIを指示する側に立つ。
「デジタルリテラシー」が第4の基礎教育へ
報告書の中でも特に注目される視点は、デジタルリテラシーを「読み書き・計算」と並ぶ基礎教育として再定義する動きだ。シンガポールでは小学校段階からコーディングとAI倫理の基礎教育が導入され、フィンランドでは「計算論的思考」が国家カリキュラムに組み込まれた。日本でも2020年からプログラミング教育が必修化され、その実践が深まっている。
AIが変える「学ぶ」という体験
2026年の教育現場で最も議論されているのは、AIが学習体験をどう変えるかという問いだ。生成AIを使えば、子どもは自分のペースで質問を繰り返し、理解度に合わせたフィードバックをリアルタイムで受け取れる。一方で課題もある。AIが答えを出しすぎることで、子どもが「考える力」を磨く機会を失うリスクだ。AIを「一緒に考えるパートナー」として使う習慣を幼い段階から培うことが重要とされている。
親の役割が変わる
デジタル創造教育の普及に伴い、親に求められる役割も変化している。「子どもがスマホを使う時間を制限する」という管理的アプローチから、「子どもがデジタルツールを使って何をつくり、何を表現しているかを一緒に見守る」という関与型のアプローチへのシフトだ。「どんな動画がなぜ面白いのか」を一緒に話し合い、子どもが自分の動画を作る体験を支援することが、デジタル創造力を育む土台になる。